平飼い卵? 有精卵? おすすめオーガニック卵
私が好きな、新潟の「宮尾農園」の有精卵は、黄身が白っぽい。
宮尾農園代表の宮尾浩史さんや奥さまが、愛情たっぷりに育てる鶏たち。
「平飼い」の環境で、オスとメスが「オーガニック」なエサを食べて育っています。
その卵は、白身まで甘くて、味わいに透明感があるんです。
雑味がまったく感じられません。
卵かけごはんでいただくと、まさに絶品。
私は以前は、生卵や温泉卵にほのかにあるムッとするような香りが苦手だったけど、宮尾農園の卵なら生で飲むように食べられることに感激したのです。
宮尾さんのところ以外の卵でも、平飼いや放し飼いなどでエサにこだわって丁寧に育てられた卵は、同様に臭みがまったくないと感じます。
平飼いはいいの?
日本のスーパーに並ぶ多くの卵は平飼いや放し飼いではなく、「ケージ」で飼育されています。
ヨーロッパをはじめとする諸外国では、以前からケージが問題視されていて、どんどん廃止されている傾向に。
国によってはパッケージに飼育環境を記す必要などもあるし、消費者の意識だってうんと高いのです。
ケージ飼いでは、檻が何段にも積まれたようななかに、ぎゅうぎゅうに鶏が詰め込まれています。
その結果、ケージでは本来の鶏らしい生活や動きができないことからのストレスや、病気の報告がたくさんされている…。
一方で、宮尾さんの鶏はのびのび暮らしていて、とても元気そう。
いのちの恵みをわけていただく卵。やっぱり健康な鶏が産んでくれた卵を、いただきたいなと思います。
有精卵ってなに?
鶏は、品種改良されてきてオスなしでメスだけで卵を産むことができます。
食品ビジネスとしての効率性を求めると、卵を産まないオスを飼うのはお金もかかるし非効率、だったらメスだけのほうがよいとなってしまう。
だから有精卵は一般的にはあまり見かけません。
エサもオーガニック
宮尾農園のホームページにはこう書かれています(以下、カッコ内引用)
「自家栽培と地元産のお米(飼料米)、米ぬかと大豆、煮干し粕の自家製発酵飼料、果実酵素、野草、海水など地域で手に入る資源をたくさん使い、胡麻や、カキガラ、カニがらなどと自家配合し季節や鶏の成長に合わせて与えています」。
宮尾さんが作るお米は、農薬不使用はもちろん、肥料もあたえずに文字どおり自然のちからで育てる「自然栽培」のお米。
ちなみに鶏は、そのもみ殻を発酵させたエサが好物なのだそう。
人間でも、ヘルシーな食事をずっと続けていると、肌の明るさが増す気がする。
ちなみに、黄身が濃い卵は、色を濃くするための着色料のようなエサを与えられているのが一般的。
以前、arcinaの東京・八丁堀のお店には、宮尾さんのファンだという農家さんが何人も訪ねてこられました。
お店に宮尾さんの卵が並んでいることを知って、わざわざ遠方から来てくださる。
宮尾さんが、昔から、工業的ビジネスとは真逆のマインドで農業・畜産をなさってきたことや、その宮尾さんの作る作物がとてもおいしくて、そしてまた太陽のようなお人柄にもファンが多いんです。
そこにいるだけで、包み込むような癒しのパワーをもっているような方。
そんな宮尾さんが育てている鶏の卵は、限りなくみずみずしくて、ありがたい味がします。
とても印象深いドキュメンタリー映画を思い出します。
はじめてみたときに衝撃を受けた「フードインク」。
アカデミー賞のドキュメンタリー部門にもノミネートされた、農業や畜産、地球の環境、人のあり方、などいろんなことを思いめぐらされる作品。
まだ観ていない人にはぜひ視聴をおすすめしたい作品です。