野菜が美味しくなるじっくり焼きのレシピ ーなす、キャベツ、玉ねぎ
たくさんの旬の野菜を一度に美味しく料理できる「蒸し焼き」。
あらゆる野菜に応用できるシンプルな蒸し焼きのコツと、レシピのアレンジ案もご紹介します。
蒸すには、セイロや蒸し器を使わなくても、お鍋やフライパンで蓋をするだけで大丈夫です。
「蓋をして少し長めに放置」するだけの感覚でOK。
お鍋に野菜とお肉をセットしたら、その間にスープを作ったり、洗い物をしているうちに完成します。
私は、これまで料理書の編集を通して、多くのレシピを再現する機会がありました。
そのなかで出会った黄金の法則が、野菜は「蒸し」が美味しい、ということ。
それも「弱火でじわじわ」といった蒸し方です。
グリルで、ホイル包みや蓋つき調理器具で焼くときも、中がその状態になっているのだと思います。
高速で強い熱を加えるより、ゆっくりと熱を加えることで引き出される美味しさがあるのです。
野菜の甘みや旨味が増し、特に味の濃いオーガニック野菜なら、塩だけでもびっくりするほど美味しくなります。
それに、それぞれの食材の味が生きるうえ、茹でる場合に比べて、水溶性のビタミンなど流れ出てしまう栄養素の多くがキープできます。
オーガニックショップをしていて、季節ごとの野菜がどっさりと入荷しました。
農薬や化学肥料を用いず、自然の恵みで育てられた野菜は旬に則したものばかりなので、夏の間はずっと大量のピーマンやなす、ズッキーニなど夏野菜に囲まれます。
それで、手間をかけずに美味しく食べられる調理をいろいろ試してみたところ、飽きがこないのが、このシンプルな蒸し焼きでした。
キャベツ、カリフラワー、玉ねぎ、などはとくに甘みが増して、単品で、肉類なしで作っても、本当においしい。
そして、冷やして食べても美味しいのです。
蒸し焼き野菜〈きほんのレシピ〉
材料
旬の野菜 食べたい分量
鶏肉(手羽先など) 〃
にんにく 1~2片/1人分
オリーブオイル 大さじ1/1人分
塩 適量
*野菜はバーベキューにすると美味しいような野菜は何でも合う。ナス、キャベツ、ブロッコリー、トマト、かぼちゃ、玉ねぎ、長ネギ、ズッキーニ、トウモロコシ、インゲンなど。
*鶏肉 or 鯖缶 or 塩豚 があればパーフェクト / 肉類はなくてもOK
作り方
・材料を切る(野菜や肉類は大きめに、にんにくは数ミリ厚)
・フライパンか鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかける
・肉類と野菜を並べて塩をふりかける(崩れやすい野菜は少し後から入れる)
・焦げないよう時々ひっくり返し、蓋をして20~30分ゆっくり焼く
・野菜から出る水分の蒸気でじっくり火を通す
トマトやトマト缶を加えてラタトゥイユに
夏野菜で作るときは、皮をむいたトマト/トマト缶を加えてじっくり煮ると、ラタトゥイユにもなります。
調味料やスパイスでアレンジする
スパイスを足すことで、バリエーションも広がります。
私のお気に入りは、カイエンペッパー、カレー粉、ジンジャーパウダー、セサミパウダー、コリアンダー、フィファチ、などのうち、どれかひとつ、または組み合わせで。
はじめにオイルを熱するときに加えます。
ちなみにフィファチ(ひはつ)は沖縄の、胡椒のようなスパイスで、肉類との相性がとても良いもの。
にんにくは疲労回復や抗ガン作用が、でもとり過ぎNG
にんにくの香り成分でもある「アリシン」には、疲労回復や抗ガン作用の効果があるとされています。
ただし、その強い殺菌作用は、大量にとることで腸内の良い菌や腸壁まで攻撃してしまうという側面も。
アリシンはカットやすりおろすことで発生し、また生で食べることで酵素が強く働いてしまいます。
そのため、にんにくは加熱したものを少量、食べることがよいとされるのです。
香りづけに1~2片くらいなら、腸内環境に気をつけながら「疲労回復」などの効果をほどよく取り入れられるのでおすすめです。
オーガニックショップを訪れるベテランの主婦でも、野菜は茹でる・炒めるを基本とする方が多く、蒸すというのは意外だけど試してみたら気にいった、という方にたくさん会いました。
そういう方にはぜひ、試していただきいたいです。
さまざまなアレンジで、なす、キャベツ、玉ねぎ、ピーマン、トマトなど、旬にたっぷりとりたい野菜の蒸し焼きレシピを楽しんでくださいね。