アメリカで、中国出身の友人から夕食に招かれた。出しくれた、お母さんから受け継いだレシピという牛肉と茄子の煮込みがとても美味しかった。
シンプルな家庭料理ながらも、こなれた、滋味深い味。どこか和食にも共通するようで、まるで異なる中国の風味。
「料理はあまり得意じゃない」という彼女のキッチンには、醤油や酒など限られた調味料の中に「五香粉」が並んでいた。美味しい煮込み料理は八角の香りがして、その秘密が五香粉。
五香粉には、八角や花椒など5種のスパイスが調合される。五香粉を使うと、一気に本場の中華っぽくなる。
台湾の家庭料理で美味しい豚肉のそぼろご飯がある。日本のそぼろとは異なる、その理由が「五香粉」だと思う。味はルーロー飯に近くて、でもまた別もの。
本来は、醤油は台湾の甘くて濃い醤油を、砂糖は氷砂糖を使うが、日本の濃口醤油など身近な調味料を使ったレシピにアレンジした。五香粉がアクセントの「台湾風」そぼろご飯として楽しんでいる。本場は炒め汁を多めにして煮卵も作るが、時間短縮のために割愛。それでも、玄米にも白ご飯にも合い、いくらでも食べられる美味しさだ。野菜を足すには、大根やにんじん、蓮根などを入れても美味しい。
材料 2人分
豚ひき肉 200g
A
干し椎茸(水でもどす→粗みじん) 2〜3個
長ネギ(みじん切り) 1/2本
生姜(みじん切り) 1片
五香粉 小さじ1
B
濃口醤油 大さじ1
紹興酒 大さじ1
オイスターソース 小さじ2
砂糖 小さじ2
塩 少々
水 1/4カップ
油 小さじ2
* あれば柑橘の皮を乾燥させて細かくしたもの小さじ1/2程度
作り方
1 フライパンに油をひき、Aを入れ、弱火で長ネギがしんなりするまで炒める
2 豚ひき肉を加え、全体的にさっと火を通す
3 Bとあれば柑橘の皮を加えて肉全体に混ぜ合わせて一煮立ちしたら、水を加えて、汁がほとんどなくなるまで煮詰める
4 味を見ながら、塩を少しずつ加えて調整する
5 ご飯にかけていただく
柑橘の皮も入った五香粉